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技術力の高い技工所との提携が信頼の第一歩

Question

素晴らしい設備を揃えた技工所ですが、どれくらいの歴史があるのでしょうか?

岡本社長

昭和37年設立ですので、50年ちょっとです。私で三代目の社長になります。吉田先生とは先代の社長 斉藤が吉田歯科医院が開業した時からの技工を引き受けています。

Question

人件費が安い中国に技工物を発注する今の時代、これほどの先進設備とスタッフを揃えて都内で技工所を構えてやっているということは、よほど質の高い歯科医院を顧客にもっているということですね。それでも入れ歯などの補綴物の需要は減ってきていませんか?

岡本

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一時よりは減ってきていますね。と言いますのも弊社は営業活動が下手でして…昔ながらの歯科医とのお付き合いが主ですから、歯科医の先生方が高齢になってきてポツポツと辞めていってしまっているこという感じからですね。

Question

入れ歯を得意とするドクターが高齢になってきているというのもあるのですが、そもそも若いドクター達が、入れ歯の印象や設計をできる技量がなくなってきているのでは?と思っているのですが、どうですか?

岡本

どうなんですかね?逆にデンチャーになる患者さんというのも昔に比べると減ってきているんですかね?昔と比較してカリエスにもならない、自然と歯が抜けるということも減ってきているという感じがします。

吉田

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そのような患者さんも減ってきてはいますが、その代わり良い入れ歯に出会わなくて、困っている人は多いと思うんですよね。

岡本

そうですね。そういう患者さんに満足のいく入れ歯を提供できる歯科医院は、歯科が増えた現在も多くの患者さんから支持されて、長いお付き合いになっているようです。

Question

岡本さん達が技工士の立場で歯科医師に求めるものは何ですか?

岡本

個々により違うので、難しいですね(笑)

吉田

レストがちゃんとあって、アンダーカットがあって、ガイディングプレートの方向をドクターが決めることが基本でしょう。

岡本

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そうですね。デンチャーの咬合平面を基準にして、咬合平面の上から入れることを考えます。場合によっては歯が傾いていたりするので、そのような時は前歯がクラスプの上の方にきてしまうため、なるべくグラスプラインを下に降ろしデンチャーを回転させて入れたりしています。

それからサーベーヤーだけでやりますと、設計上はそこにアンダーカットがあるのですが、実際に入れるとスカスカになって、維持力が足りない場合があります。それを見越してやらなければならないんですよね。

吉田

補綴なんかは学校でサーベーヤーや平行性を習うのですが、回転させて入れるというのはあまり聞きませんね。

岡本

例えば、下顎の片則の5、6番欠損で、7番が近心傾斜している場合は、グラスプを後ろから入れ、次に前に入れるという感じです。義歯が噛んで使っている時は、はずれないが、指で外すときは簡単にはずれるという方法です。同心円設計法といいます。

吉田

こういったことは経験を積んでいかないと分からないですよね。教科書通りやっても出来ないこともありますからね。

見た目、使い勝手、耐久性の3拍子が揃ってこそ、いい入れ歯

Question

次に入れ歯の床の材質による違いを教えてください。

岡本

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軽さ、生体親和性、弾力、伸びですかね。

Question

金属床になった場合、(チタンと比べて?)レジンの方が軽さや弾力性はあるように感じるのですが、どうですか?

岡本

金属床は厚さが薄いため熱の伝導率が違いますね。レジンだと熱の伝導率が悪いので味覚の感じ方も変わってきます。冷たいものは、冷たく、熱いものは熱く感じる事で、食事も、美味しく味わえると思います。

Question

金属床の場合の金属というのはドクターの指定でやるのではなくて、技工所で決めているのですか?

岡本

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特別に指定があって持ちこんでくれる歯科医がいれば可能ですが、ほとんどいませんね。

Question

いま勧めている金属というのはコバルトクロームなんですか?

岡本

はい。ドイツのベゴ社のコバルトクロームを使っています。製作方法もベゴのシステムで行っています。チタンは国産のG.Cのものを使っています。チタンは堅く、弾力があります。また、メタルアレルギーのある人にも使える金属です。

Question

日本デンタルラボラトリーでは、デンチャーしかやらないわけではないですよね?

岡本

自費の補綴物は全てやっています。

Question

優秀な技工所なので影響はないと思われますが、CAD/CAMの保険導入なんかもあり、技工士界全体でみると何か影響はありますか?

岡本

詳しいことは分かりませんが、そういう時代へと徐々に変化するんですかね。

吉田

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人による技術力は必要だと思いますよ。そんなこと言っていると古いとか言われちゃうかな(笑)

Question

私が患者の立場でしたら、何でそんなにすぐに完成させなきゃいけないのって思いますね。そこまでの早さは求めてないですよね。

Question

岡本さんは社長ですけれど、技工物の制作はやっているのですか?

岡本

やっていますよ。来たものの模型の設計をして、ワックスアップを見て、各工程を自分でやりますね。

Question

例えばトヨタなんかの様に1人が1工程をやるのではなく、1つのデンチャーを全部見るのでしょうか?

岡本

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そうではなくて、慣れた人が慣れた箇所をやりながら途中途中を私がチェックします。個人個人でやらせてもいいのですが製品のバラつきを出したくないので、このようにしております。慣れた人が慣れたことをやった方が効率的ですよね。

Question

技工物の標準化を図っているんですね。

岡本

はい、そうです。個人でやられている技工士の方との違いの一つはそこにあります。

Question

最近はソフトデンチャーが歯科医院で勧める傾向があるようですが、その理由はどこにあるのでしょうか?

岡本

患者さん自身がクラスプが見えるのが嫌だということだと思いますね。

クラスプが見えないことで、見た目が良いからではないでしょうか。しかし技工士の目から見ると、ノンクラスプデンチャーの方がごついんじゃないかと思うんですよ。すごくレジンが張り出していますよね。

また、ソフトデンチャー等の軟らかいものは、顎堤が壊れたりする恐れがあるので、弊社ではソフトデンチャーは扱っていません。

Question

耐久性に疑問符がつくということですね。

岡本

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そうですね。あと修理が効かないとかいうのもありますね。最近はできるのもあるみたいですけど。

Question

ソフトデンチャーは、若い歯科医に話を聞くと必ず名前が挙がるんですよ。

岡本

バネが見えないからPRしやすいんじゃないですか。
金属床でも、クラスプのバネの設計を工夫することで審美的なデンチャーを作る事は出来ると思います。

Question

価格的には安いんですか?

岡本

金属床に比べれば安いです。

吉田

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ただソフトデンチャーは粘膜の上に乗っかているだけだから、どうなのかね。噛んだ力が歯に伝わらないんですよね。クラスプは欠損した箇所の力を歯に伝えるわけだから。

岡本

だから最近は金属床と組み合わせて使わないとダメだ、みたいになってきたんですよね。金属床でガチッと留めて、レジンでサポートというように。

Question

そういった力学というのは昔から変わらないですよね?それとも材質によっては変わりますか?

岡本

金属床の設計は変わらないですよ。

Question

床を小さくした方が患者さんは楽なんですか?

岡本

一見そう思いがちなんですが床を小さくすると、横揺れ等があり不安定なため、咬めない義歯になりがちです。欠損した箇所の反対側までクラスプを伸ばして、両方でバランスを取るのがいいですね。

Question

そういったことが頭の中で理解できて、技術として表すことが出来るというのはキャリアとして相当時間がいりますよね?

岡本

そうですね、色々失敗もしますしね。

職人集団が標準化する強み

Question

岡本さんの親も技工士だったのですか?

岡本

親は全然関係ないですよ。私は横浜にある学校に通っていたのですが、そこに日本デンタル創業者の川嶋英夫先生が外部から講師として来ており話を色々と聞いて、じゃあうちに来ないかという流れになり、日本デンタルに、お世話になる事になりました。39年前の事になります。

Question

手先は器用だったのですか?

岡本

手を動かすのは好きでしたね。

岡本

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当時の川嶋さんは有名な財界人や政治家のデンチャーもやっていましたね。松下幸之助さんや佐藤栄作さん、森繁久彌さん、笹川良一さんのデンチャーを作成していました。

Question

それだけ良い取引先があったということですよね。

今、日本デンタルラボラトリーに技工士は何人くらいいるんですか?

岡本

8人です。中堅規模位ですかね。

Question

以前から保険の補綴物はやっていないんですよね?

岡本

やることはやるんですが、保険で仕事を取ってはいませんね。

吉田

病院とも取引しているんですよね?

岡本

駿河台の日本大学歯学部付属歯科病院ですね。

Question

大学関連から自費主体の一流の歯科医院の技工物が仕事の主体になっているのですね。これも技術の高い職人的技工士さんが標準化をして、技工物のクオリティーマネジメントを進めてきた結果ですね。