root2016_03_29

技術力の高い技工所との提携が信頼の第一歩

「快適な入れ歯を求める方は増え続けている」

Question

技工所内を見学させていただき、素晴らしい設備を揃えていることがわかりましたが、どれくらいの歴史があるのでしょうか?

岡本社長

昭和37年設立ですので、50年ちょっとです。私で三代目の社長になります。吉田先生とは先代の社長 斉藤が吉田歯科医院が開業した時からの技工を引き受けています。

Question

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最近、入れ歯の需要はいかがですか?入れ歯を得意とする歯科医師が高齢になってきているというのもあるのでしょうが、そもそも若い歯科医師が、入れ歯の印象や設計をできる技術がないので入れ歯受容はあるのでしょうか?

岡本

どうなんですかね?逆にデンチャーになる患者さんというのも昔に比べると減ってきているんですかね?昔と比較してカリエスにもならない、むし歯やや歯周病で歯が抜けるということも減ってきているという感じがします。

吉田

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確かにメンテナンスが一般的になりましたので、以前のようなむし歯や歯周病で歯を失う方は減ってきてはいます。しかし、当院に転院してくる患者さんの声を聞きますと、良い入れ歯に出会わなくて、困っている人は以前より増えているように思います。

岡本

そうですね。そういう患者さんに満足のいく入れ歯を提供できる歯科医院は、歯科が増えた現在でも、多くの患者さんから支持されて、長いお付き合いになっているようです。

快適な入れ歯をつくるポイント

Question

岡本社長が技工士の立場で、入れ歯を技工するにあたって歯科医師に求めるものはどのようなことでしょうか?

岡本

基本として入れ歯の咬合平面を基準にして、入れ歯を咬合平面の上から入れることを考えます。
それからサーベーヤーだけでやりますと、設計上はそこにアンダーカットがあるのですが、実際に入れるとスカスカになって、入れ歯の維持力が足りない場合があります。それを見越してやらなければならないんですよね。

吉田

そうですね。「外れない」「ガタつかない」といった快適な入れ歯を作製するために、アンダーカットがポイントになります。深さが浅いと入れ歯は動き易く、適正な深さと大きさが必要です。

Question

次に入れ歯の「床」の材質による違いと、金属床になった場合、レジンの方が軽さや弾力性はあるように思うのですが、いかがでしょうか。
を教えてください。

岡本

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「床」の違いは、軽さ、生体親和性、弾力、伸びですかね。
レジン床(健康保険の入れ歯)に比べて金属床は厚さが薄いため熱の伝導率が違いますね。レジンだと熱の伝導率が悪いので味覚の感じ方も変わってきます。冷たいものは冷たく、熱いものは熱く感じる事で、食事も、美味しく味わえると思います。おいしく食事を味わうには金属床が適しています。

Question

金属床の場合の金属の種類は、歯科医がの指定するのでしょうか?

岡本

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特別に指定があって持ちこんでくれる歯科医がいれば可能ですが、ほとんどいませんね。
現在、当社でいま勧めている金属というのはコバルトクロームです。ドイツのベゴ社のコバルトクロームを使っています。製作方法もベゴのシステムで行っています。チタンは国産のG.Cのものを使っています。チタンは堅く、弾力があります。また、メタルアレルギーのある人にも使える金属です。

Question

日本デンタルラボラトリーでは、入れ歯を始め自費の補綴物全般で有名ですが、CAD/CAM(画像印象シシテム)の保険導入などもあり、技工士界全体での影響はありますか?私が患者の立場でしたら、補綴物の完成にそこまでの早さは求めませんが。

岡本

詳しいことは分かりませんが、そういう時代へと徐々に変化するんですかね。

吉田

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人による技術力は必要だと思いますよ。そんなこと言っていると古いとか言われちゃうかな(笑)

トヨタ看板方式と同じ工程でつくる入れ歯

Question

岡本社長は、ご自身でも技工物の制作はするのですか?

岡本

やっていますよ。来たものの模型の設計をして、ワックスアップを見て、各工程を自分でやりますね。

Question

それはトヨタの様に1人が1工程を受け持ち、1つのデンチャーが完成する全ての工程を複数の技工師で行うのでしょうか?

岡本

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トヨタのように、慣れた人が慣れた箇所をやりながら途中途中を私がチェックします。個人個人でやらせてもいいのですが製品のバラつきを出したくないので、このようにしております。慣れた人が慣れたことをやった方が効率的ですよね。
技工物の標準化を図っています。当社の入れ歯は個人でやられている技工士の方との違いの一つはそこにあります。

ソフトデンチャーでは得られない安定感

Question

最近はソフトデンチャーを歯科医院で勧める傾向があるようですが、その理由はどこにあるのでしょうか?

岡本

患者さん自身がクラスプが見えるのが嫌だということだと思いますね。
クラスプが見えないことで、見た目が良いからではないでしょうか。しかし技工士の目から見ると、ノンクラスプデンチャーの方がごついんじゃないかと思うんですよ。すごくレジンが張り出していますよね。
また、ソフトデンチャー等の軟らかいものは、顎堤が壊れたりする恐れがあり、耐久性に疑問符がつくために、弊社ではソフトデンチャーは扱っていません。

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また、修理が効かないとかいうのもありますね。最近はできるのもあるみたいですけど。

Question

ソフトデンチャーは、若い歯科医は良く患者さんに奨めています。
費用も安いのでしょうか?

岡本

まず、バネが見えないからPRしやすいんじゃないですか。
金属床でも、クラスプのバネの設計を工夫することで審美的なデンチャーを作る事は出来ると思います。費用も金属床に比べれば安いですからね。

吉田

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ただソフトデンチャーは粘膜の上に乗っかているだけでしょうから、安定性はどうなのでしょうか。

岡本

ですから最近は金属床と組み合わせて使わないとダメだ、みたいになってきたんですよね。金属床でガチッと留めて、レジンでサポートというように。

Question

そういった力学というのは以前から変わらないですよね?それとも材質によっては変わりますか?床を小さくした方が患者さんは楽なんでしょうか?

岡本

金属床の設計は変わらないですよ。
床を小さくすると患者さんは楽なのではと、一見そう思いがちなんですが、床を小さくすると、横揺れ等があり不安定なため、咬めない義歯になりがちです。欠損した箇所の反対側までクラスプを伸ばして、両方でバランスを取るのがいいですね。

吉田

そういったことが頭の中で理解できて、技術として表すことが出来るまでのキャリアを持つ技工士は数少なくっていますから、私のように入れ歯に拘りのある歯科医には、日本デンタルラボ社のような技工所は貴重ですね。

職人集団が標準化する強み

Question

岡本社長が日本デンタル社を創業した理由を教えてください。

岡本

創業者は私ではありません。私は横浜にある技工専門学校に通っていたのですが、そこに日本デンタル創業者の川嶋英夫先生が外部から講師として来ており、話を色々と聞いて、「じゃあうちに来ないか」という流れになり、日本デンタルに、お世話になる事になりました。40年前の事になります。

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当時の川嶋さんは有名な財界人や政治家のデンチャーもやっていましたね。松下幸之助さんや佐藤栄作さん、森繁久彌さんのデンチャーを作成していました。

Question

それだけ良い取引先があったということですよね。
現在の日本デンタルラボラトリーに技工士数と主な取引先を教えてください。また、保険の技工物は取り扱わないのでしょうか?

岡本

技工士は総勢8人です。中堅規模位ですかね。主な取引先は、自費診療をメインにしている歯科医院と駿河台の日本大学歯学部付属歯科病院の仕事もしています。現在は保険の技工物は行っていません。
大学関連から自費主体の技工物で、一流の歯科医院の技工物が仕事の主体になっているのですね。

吉田

これも技術の高い職人的技工士が標準化を重ねて、技工物のクオリティーマネジメントを進めてきた結果ですね。 歯科技工界のトヨタといっていいぐらいに、素晴らしい技工所だと思います。