吉田

沖田さん

沖田さんにとって良い入れ歯とはどのようなものでしょうか?

沖田

何でもバリバリ噛め、自分で取り外しが出来て、入れているのを忘れられるものですね。現在の私の入れ歯がまさにそうです。現在、私は72歳ですが、アーモンドのような硬い食べ物も食べており、とても健康です。歯の大切さを感じますね。

吉田

入れ歯はただ噛むため、話をするための道具ではなく、その人の人生を左右するものだと考えています。ですから、歯ならびもその人に合わせて作っています。例えば、沖田さんはかって機長さんでいらっしゃって、現在も剣道をされていますから、凛凛しく見え言葉が正しく聞こえ、剣道をやっている時に強い声が出ることを意識しています。入れ歯のオーダーをする時は、患者さんの職業や人柄、ライフスタイル、そして顔立ちなどを考えて配列を直しています。入れ歯はその人の人生やこれからの楽しみ、生きがいが全て加味されるものだと考えています。
患者さんの立場として、現在ご使用の入れ歯の値段はメガネや衣服に比べて高く感じますか?

沖田

作製してから8年経ちますし、私は元気ですから90歳まで生きると考えれば安いと思います。剣道で大きな声を出しても外れず、よく噛めていて見た目も良いので、人生を大いに楽しむことが出来ています。食事の際は噛んだ刺激が脳に伝わってきているように感じます。そのおかげか、認知症にもならず健康ですので、かけがえのないものです。

吉田

入れ歯の作製は歯科医師と歯科技工士の共同作業で行われますが、歯科技工士から見て、入れ歯を作るときの歯科医師に求めることは何でしょうか?

岡本

最初に口腔内全体のことを考えた治療計画を立て、それに基づいた型を取ることが大切だと思います。吉田先生はその後の制作工程の中でのやり取りをきめ細かく行ってくれるために、質の高い本来のオーダーメイドの入れ歯になるのだと思います。

吉田

沖田さんの入れ歯はドイツ式のリーゲルテレスコープですから、レバーを入れる部分を削り込まないとレバーが出っ張ってしまいます。歯を削って型を取り、日本デンタルラボラトリーに送ります。そして、削った量を確認後に、もう一度型を取り入れ歯を作製しています。

リーゲルテレスコープ

沖田

だから違和感がないんですね。リーゲルテレスコープのレバーが折れることを心配しているのですが、8年間何の異常もありません。

岡本

もし折れたとしても、現在はレーザーろう着での修理が可能ですのでご安心ください。

保険と自費の入れ歯では満足感が違う

沖田

入れ歯を作る上で、吉田先生は歯科技工士にどのようなことを求めているのですか?

吉田

患者さんのことを第一に考え、患者さんのお口の特徴を歯科医師と技工士が把握して、お互いに治療に関する綿密なやり取りが出来る方が望ましいですね。

沖田

普段治療を受けている時でも吉田先生が患者のことを考えてやっていただいているのが伝わってきます。この入れ歯はレバーで取り外しが出来るのもいいですね。

レバーについて詳しくはこちら

吉田

沖田さんのドイツ式入れ歯は、ブリッジと違って取り外しが可能ですから、毎日洗浄できるため衛生面でも安心して使用できます。

沖田

やはり、保険の入れ歯とは違いますか?

吉田

はい。沖田さんのはドイツ式入れ歯ですから全く違います。プラスチックの入れ歯(保険の入れ歯)は厚みがあるので噛むこと自体はできますが、食べ物本来の食感と噛みごたえをあまり感じられません。それを解消するため、金属床の入れ歯にした方がお寿司を食べた時にワサビの香りを感じられたというケースがあります。保険適用と自費負担の入れ歯では、噛んだ時の香りや音、喉越しに違いがでてきます。

プラスチックの入れ歯

プラスチックの入れ歯

金属(チタン)の入れ歯(金属床)

金属(チタン)の入れ歯(金属床)

岡本

プラスチックの入れ歯ですと食べ物の温度が上手く伝わらないのですが、金属ですと温度だけではなく食感も自然に伝わるので、味わい深い食事ができるようになります。

レジン床と金属床の違い

入れ歯は私の持ち物で一番大切です

沖田

私の入れ歯で使用されている金属は、貴金属としても価値のある品質と伺いましたが、そのような高価なものを使用する理由を教えて下さい。

岡本

歯科用につくられた質の高いものですので、どうしても高価になります。しかし、精度や耐久性が極めて高く、患者さんのご希望に沿ったオーダーメイドの入れ歯を作ることが出来ます。
日本は高齢者中心の社会になり、外科手術が必要なインプラントと比べ、体への負担を考えると入れ歯の需要がますます高まってくると思います。

吉田

そうですね。中高年の方は天然歯が少なく、口の中のレバーやクラスプがかかっている歯はどうしても負担がかかってしまうため、、レーザーで歯根膜や歯槽骨のダメージを回復させることが必要になってきます。少しグラグラの歯でも、きちんと設計された入れ歯を入れて、レーザーで継続的にメンテナンスをしていけば長く使うことができます。

沖田

それは感じています。メンテナンスの時にレーザー治療を受けていますが、入れ歯や歯ぐきの調子が良くなります。また、噛み合わせのチェックもしっかりとしていただいています。

レーザー治療

吉田

噛み合わせはとても大事ですし、認知症にも影響します。認知症の方は合わない入れ歯を使っている場合が多いと聞きます。噛んだ感触は歯根膜から、骨に伝わって、脳の活性化にも影響がでてきます。良い噛み合わせを維持するためには、定期的にメンテナンスに通い、口腔内のクリーニングや入れ歯の調整を行うことが大切です。実年齢より若く見え、ご自身にあった入れ歯を使っている方は長寿で認知症になりにくいという報告もあるくらいです。
ところで、沖田さんの持ち物の中で入れ歯は何番目に大切ですか?

沖田

起きている時も寝ている時も一日中使用しているので、入れ歯は私にとって一番大切なものです。人相も変わり、大口を開けて笑っても誰も入れ歯だと気づきません。吉田先生に入れ歯を作っていただいて、人生が変わりました。

沖田さん、岡本先生、吉田先生